発音

『にほんご音読トレーニング』(2014)

会社での挨拶や携帯電話の申し込み、ホテルの受付など様々な場面での会話を聞いて音読して練習できる教材です。敬語もたくさん入っており、聴解の教材としても使えそうです。

『にほんご音読トレーニング』(2014)

Maneshite Joutatsu! Nihongo Ondoku Toreeningu
(日本語) 単行本(ソフトカバー) 2014/3/30 アスク出版
松浦真理子 福池秋水 河野麻衣子 吉田佳世 (著), 英語 中国語 ベトナム語 (翻訳)


冒頭にはウォーミングアップとして日本語のフレーズがいくつか集められており、口慣らしの練習ができます。その後はUnit1- Unit30まで、内容盛り沢山です。

これらのUnitは大きく4つのシーンに分けられます。

本書の構成

  1. Unit1〜Unit 9 簡単な自己紹介やスピーチ、留守番電話など
  2. Unit 10〜Unit 14 日本の文化や行事のエッセイ
  3. Unit 15〜Unit 19 発表や説明、インタビュー場面
  4. Unit 20〜Unit 30 自然や文化、歴史についてのエッセイ

さらに1つのUnitは5つのステップに分けられており、徐々に練習ができます。

Step1: スクリプトに出てくる「単語・表現」をまず確認します。ここで音声を聞いて全体の内容を掴みます。

Step2: 本文(スクリプト)がルビ付きで書かれているので、それをみながら音声を聞きます。

Step3: 文を区切るタイミングで斜線/が入れられ、1文ずつ練習できるようになっています。何度も練習します。

Step4: ステップ2にある本文全体をみながら、今度は音声と一緒に読みます。

Step5:本文を見ずに、音声を聞いて一緒に言います。

冒頭p.15に教師に向けた「授業での使用例」が詳しく書いてあるので、そちらを参考にすると「一回何分で、何回ぐらいやったらいいの?」といった実際の授業での導入例がわかります。

さらに、1つ1つの本文の内容が会社やビジネス場面で使える実用的なものから文化的なものまであり、読物としても楽しいです。

目次

  • はじめに
  • 本書の構成
  • 各Unitの見かた
  • Unitの音声について
  • 各STEPの練習のしかた
  • 授業での使用例(教師向け)
  • ウォーミングアップ

PART 1

  • Unit1 進入社員のあいさつ -自己紹介-
  • Unit2 帰国のあいさつ -スピーチ-
  • Unit3 就職の面接 -自己PR-
  • Unit4 お客様への伝言 -留守番電話-
  • Unit5 クラスメートへの伝言 -留守番電話-
  • Unit6 申込書の書き方 -説明-
  • Unit7 ホテルの利用案内 -説明-
  • Unit8 旅行の日程 -説明-
  • Unit9 焼きドーナツの作り方 -説明-
  • TRY!①早口ことば

PART2

  • Unit10 東京オリンピック
  • Unit11 七五三
  • Unit12 給食
  • Unit13 「ごろ合わせ」の記念日
  • Unit14 いろいろな「すし」
  • TRY!②ことわざ

PART3

  • Unit15 調査発表① -プレゼンテーション-
  • Unit16 調査発表② -プレゼンテーション-
  • Unit17 私の仕事 -インタビュー-
  • Unit18 本の紹介 -スピーチ-
  • Unit19 「ババ抜き」のルール -説明-

PART4

  • Unit20 金星
  • Unit21 旭山動物園
  • Unit22 ことばを話す鳥
  • Unit23 むかし話の不思議
  • Unit24 漫画の神様
  • Unit25 お弁当の宅配サービス
  • Unit26 今も愛される歴史上の人物
  • Unit27 夏の高校野球
  • Unit28 天下統一を目指した3人
  • Unit29 竹取物語-あらすじ-
  • Unit30 走れメロス-あらすじ-

名作・名文のひろば

  • 『方丈記』 鴨長明 〔古典〕
  • 『枕草子』 清少納言 〔古典〕
  • 『おくのほそ道』 松尾芭蕉 〔古典〕
  • 『平家物語』 〔古典〕
  • 『雨ニモマケズ』 宮沢賢治 〔詩〕
  • 『道程』 高村光太郎 〔詩〕
  • 『生きる』 谷川俊太郎 〔詩〕
  • 『坊ちゃん』 夏目漱石 〔小説〕
  • 『キッチン』 吉本ばなな 〔小説〕
  • 『ノルウェイの森』 村上春樹 〔小説〕

本文訳(英語)

  • 中国語とベトナム語の訳文はウェブサイトからダウンロード可能

本書の特徴

音声のスピードが3種類

音読用音声は「きほん」「ゆっくり」「1行ずつ」の3種類ああります。

学習者のレベルによっては、まずはゆっくり聞いてから普通のスピード(きほん)で聞く、という使い方もできます。

音声のトラックが分かれている

音声はCDとWebサイトの両方で聴くことができます。(Web版では「きほん」と「1行ずつ」のみ)

CDでは1ユニットで1トラックになっていますが、ウェブサイトでは1行ずつにトラックが分かれているので、何度も繰り返し練習をするときに便利です。

内容が豊か

PART1ではビジネス場面が多いので、敬語の導入例として場面別で聴かせたり、簡単な聴解練習として使うことができます。

PART2では、「発表をする」という活動の前に、お手本として音読してみたり。

PART4の「名作・名文のひろば」では、古典や有名な詞が読みやすいように編集されているので、日本語学習者でも古典に親しむことができます。

日本文学に興味を持つ学習者から、「日本の文学が読みたい」というリクエストをもらうことも。レベルによってはここからおすすめしてみるのもいいかもしれません。

関連情報

この書籍を使用したアクティビティ

本書にある『雨ニモマケズ』を朗読して、詞に親しむという活動についてはこちら。

敬語の練習で、様々なシーンを用意したアクティビティです。

ビジネス日本語(初級)で「留守番電話の内容を聞き取る」という聴解練習として。

オンラインの声

この本を買ってみる

音読の教材ですが、それ以外にもいろいろな使い方ができそうな一冊です。初級から使えるのもいいですね。

Maneshite Joutatsu! Nihongo Ondoku Toreeningu
(日本語) 単行本(ソフトカバー) 2014/3/30 アスク出版
松浦真理子 福池秋水 河野麻衣子 吉田佳世 (著), 英語 中国語 ベトナム語 (翻訳)

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