語彙に特化した本はいくつかありますが、語彙ドン!は中でも「大学で学ぶために必要なことば」に焦点をあてています。
大学や専門学校で学ぶことを視野に入れた学習者が、集中的に語彙をカバーしたい時に役立つ書籍だと言えるでしょう。
Vol.1 には1200語、Vol.2 には600語が収録されています。
語彙ドン!大学で学ぶためのことばについて
石澤 徹 (著), 岩下 真澄 (著), 伊志嶺 安博 (著), 桜木 ともみ (著), 松下 達彦 (著) 2018/6/7
- ことばの確認
- 例文・意味で確認
- ゲームで確認
- 読み物で確認
ことばの確認
まずは、言葉のリストに「意味がわかるかどうか」「その漢字の読み方」を書き入れます。
ウェブサイトに言葉のリストの音声もあるので、それを聴きながら確認することができます。
例文・意味で確認
その後、それぞれの単語の意味(定義)が日本語で書かれており、その下に例文があります。
例文は穴埋め形式になっているので、練習問題としても使うことができます。
学習者自身が自分で例文や短文を作ってみるのも、よい活動となりそうです。
ページ上部にある短文の読み物も、実際にそのページの単語が読めるようになっているかどうか、確認するのに役立ちます。
ゲームで確認
- 漢字カードをつなぐ問題
- 穴埋め問題
- ことば探し&穴埋め
- クロスワード
などのアクティビティ形式で、覚えた単語を確認していきます。
ウェブサイトに行くと、追加で使えるアクティビティ問題もあります。
「もう少し確認が必要だな..」と思う課では、追加の活動を導入するのもいいですね。
読み物で確認
最後には15行程度の読み物が入っており、ある程度の長さのある読み物の中で、覚えた単語を確認することができます。
読み物ページの下部には、「食を使った言葉を上の読み物から探しましょう」と、単語に特化した質問が数問あります。
内容質問に関しては、ウェブサイトからダウンロードができます。
同じウェブサイトには、「発展問題」と称して、読み物に関連したディスカッションのトピックが載っています。
これを使用して、グループで話すなどの活動を入れるのもいいでしょう。
発展問題例
A. インターネットを使って投票をすることのよい点と問題点を考えてみましょう。また、調べてみましょう。
B. インターネットを使って選挙運動をすることのよい点と問題点を考えてみましょう。また、調べてみましょう。
本書の特徴
段階的な作業がポイント
まずは単語単位で覚え、その後は例文、短文、そして読み物へと、徐々にステップを踏みながら何度も何度も語彙を確認することができる仕様になっています。
最終的にはその課で勉強した語彙を使って、ディスカッションまでできるようになれば、学習者もきっと達成感を感じられるでしょう。
読み物の内容は本当の話から
Step4で使われている読み物は、この本のために作成されたものではなく、他の本や読みもの、資料などから引用したものになっています。
よって、その課の言葉が実際に使われている資料を読みながら、確認できるというAuthenticな教材となっていることがわかります。
自習用に
クラスで使ってもいいのですが、自学用の教材として学習者におすすめすることもできます。
一通り終わっても、もう一度戻ってやり直すことで更なる定着を図ることができそうです。
関連情報
オンラインの声
この本を買ってみる
単語の確認から入り、アクティビティや読み物を通して何度も何度もその語彙に触れる機会が作れる一冊となっています。
独学用の教材としてお勧めしてもいいですし、中級以上の語彙の授業に使うこともできるでしょう。
石澤 徹 (著), 岩下 真澄 (著), 伊志嶺 安博 (著), 桜木 ともみ (著), 松下 達彦 (著) 2018/6/7