作文・論文

レポート・論文を書くための日本語文法(2016)

中上級以降になり論文やレポートを書くことが増えた時、これまでに習ったはずの文法がイマイチ正確に使えていないということがあります。

先生

こそあどは勉強したけど、「そのように」「この理由の一つに」など文章中の言葉を指す「こそあど」が違っている。

先生

「は」と「が」の使い分け、何回直しても論文でことごとく間違えている。難しいのはわかるけれど、なんとかしなければ...。

本書はそういった「学習者が間違えやすい文法」が項目ごとにまとめられており、さらにはしっかりと練習できる問題もついています。

他の先生からも、使いやすいという声をよく聞く一冊です。

レポート・論文を書くための日本語文法

2016年12月 くろしお出版   小森 万里 (著), 三井 久美子 (著)   B5版 184p

目次

目次を読むと、「そうそう!ここ中上級者によくある間違いポイントだよな〜」というのを実感します。

1課〜7課は文レベルの文法の使い方、8課〜14課は談話レベルになっています。

第1課 書き言葉に統一する―書き言葉の文体と表現―
第2課 文の意味を明確にする―複文の適切な使い方―
第3課 「こと」と「の」を使い分ける―名詞節「こと」と「の」の使い分け―
第4課 文をシンプルにする―語や節の名詞化―
第5課 語彙を適切に選択する―レポート・論文でよく使う語彙の使い分け―
第6課 文を首尾一貫させる―文頭と文末との呼応―
第7課 形が似ている表現を使い分ける―助詞相当語の使い分け―
第8課 「は」と「が」を使い分ける―助詞「は」と「が」の使い分け―
第9課 書き手の視点を示す―他動詞・自動詞(使役形・受身形)―
第10課 過去と現在のつながりを示す―ル形・タ形・テイル形・テイタ形―
第11課 文章の中の語を指し示す―指示詞「こ」と「そ」の使い分け―
第12課 前後の関係を表す―接続詞・接続表現の使い分け―
第13課 前の文に関係づける―「のだ文」の使い方―
第14課 効果的に意見を述べる―意見を述べる文末表現の使い分け―

JLPTでN2程度以上の学習者を対象としており、アカデミック・ライティングの教材として使えます。

本書の構成

全部で14課ありますが、それぞれの課は、以下のような構成になっています。

各課の構成
  1. TRY まずやってみよう
  2. POINT ここがポイント
  3. ステップ1→練習1
  4. ステップ2→練習2
  5. 実践 使ってみよう
  6. さらに 復習したい人のために
  7. Q&A

TRY まずやってみよう

まずは短めの文章を呼んで、正しいものが選択・穴埋めができるか実力を確認します。

学習者にもまずは「ここがわからない」を意識してもらうことは大切だと思います。

POINT ここがポイント

Tryの次にPOINTとして、「その課の文法項目を勉強することで、どうしてレポート・論文に役立つのか」が短くまとめられています。

ステップ→練習

ステップでは、例文も交えながらその課の学習項目がしっかり解説されています。

内容が濃い項目でもよくまとめられており、教師としても非常に参考になります。

その後、勉強したことを確認できる練習問題がついています。

実際の練習問題は1ページのボリュームになる課もあり、量もたっぷりです。

実践 使ってみよう

学習したことを踏まえ、半分〜1ページ程度の文章を読んで、確認します。

実践問題は1〜2ページ程度ですが、内容が充実しています。

さらに 復習したい人のために

これまで学んだことを生かしながら、与えられたトピックについてレポートを書きます。

ここは問題形式ではなく自分でレポートを書いていきます。最初の方は、形式が示されているのでそれに沿って書くことができます。

徐々にトピックの提示のみになり、学習者は自分でレポートを書いていきます。よって、先生の添削が必要になるはずです。

Q&A

学習者からよく出てくる質問が、Q&A形式で掲載されています。Q&Aは課によってある場合とない場合があります。

オンラインの声

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「いつも同じ間違いを添削しているのに、なかなか直らない...」「来学期は上級で作文指導の授業を教えるんだけど、どんな教材を使おう...」など、ライティングの指導でお困りの先生方におすすめです。

2016年12月 くろしお出版   小森 万里 (著), 三井 久美子 (著)   B5版 184p

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